|
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
論文名 |
国立がんセンター中央病院における5年間の血液培養検査成績の検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
伊東 ひろ子, 森 慎一郎, 樋口 晶子, 小野 剛司, 藏野 信彦, 古田 耕 |
所属 |
国立がんセンター中央病院臨床検査部 |
発行 |
臨床微生物:17(4),284─289,2007 |
受付 |
平成19年3月26日 |
受理 |
平成19年10月7日 |
要旨 |
わが国最大のがん専門病院である,国立がんセンター中央病院における過去5年間の血液培養の検査成績について後方視的に解析した。検査依頼総数は24,187件,陽性件数は2,625件,陽性率は10.8%であった。グラム陰性桿菌は969株検出され,Escherichia coliが20.8%(202株)と最も高い分離率であった。グラム陽性球菌は1,100株検出され,coagulase-negative staphylococci(CNS)が54.5%(600株)と最も高い分離率で,methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)は11.8%(130株)であった。嫌気性菌は4.6%(122株),真菌は3.6%(94株)の分離率であった。その他の菌は,13.0%(340株)の分離率であり,そのほとんどがバチルス属(78.9%)またはコリネ型菌(16.7%)であった。コリネ型菌は52株(27症例)分離され,その94.2%(49株)は造血器腫瘍患者と小児科患者から分離されていた。コリネ型菌が分離された27症例中22症例(81.5%)が,造血器疾患による極度の免疫不全状態の患者であった。 |
Keywords |
血液培養, 疾患別分離菌, 悪性腫瘍 |
|