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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
過去7年間に分離された入院時の鼻腔培養におけるmethicillin resistant Staphylococcus aureusの疫学的調査 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
辻原 佳人1）, 本間 正史1）, 吉川 晃司2）, 櫻井 磐2）, 山田 三紀子3） |
| 所属 |
1）神奈川県立汐見台病院 臨床検査科
2）神奈川県立汐見台病院 内科
3）横浜市衛生研究所 |
| 発行 |
臨床微生物：18（1），8─14，2008 |
| 受付 |
平成19年7月4日 |
| 受理 |
平成19年11月28日 |
| 要旨 |
当院は院内における感染制御を目的に，入院時に鼻腔培養を行っている。
2000年1月から2006年12月の7年間にmethicillin resistant Staphylococcus aureus（MRSA）を目的菌として鼻腔における保有状況を調査した。対象は5,534名であり，MRSAが検出された患者は259名（4.7％）であった。そのうちmupirocin（MUP）による除菌を試みた患者は259名中112名（43.2％）であった。MUP使用後に鼻腔培養を行った患者は112名中58名（51.8％）で，MRSAが除菌された患者は58名中34名（58.6％）であった。また，MRSA患者が退院し，再入院時に再びMRSAが検出される患者は90名中45名（50.0％）に認められた。さらに初回入院時と再入院時に検出されたMRSAの遺伝子学的な相同性について，検討可能であった7名中4名にSimilarityの高い菌株が検出された。
入院時に鼻腔培養を行うことは感染対策上，その意義は認められるが，入院後の対処が伴わない対策では意味がない。すべての患者に除菌療法を行うことは議論のあるところだが，MUPによる除菌療法の効果判定のための培養検査の実施率が低率であったことは，入院後の対処に問題がある。MRSAのいわゆる「持ち込み」に対して，除菌の治療方針を確立することが今後の課題と思われた。 |
| Keywords |
methicillin resistant Staphylococcus aureus, mupirocin, 鼻腔培養, 病院感染, pulsed field gel electrophoresis |
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