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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
胸水よりArcanobacterium haemolyticumを検出した1症例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
村橋 重樹1), 大神 敬子1), 山田 欣宏1), 関 洋之3), 手塚 雄介1), 阿曽沼 悦子2), 濱田 哲夫1) |
所属 |
1)労働者健康福祉機構 九州労災病院検査科
2)労働者健康福祉機構 九州労災病院呼吸器内科
3)産業医科大学病院中央検査部輸血部 |
発行 |
臨床微生物:18(1),20─24,2008 |
受付 |
平成19年2月6日 |
受理 |
平成19年11月26日 |
要旨 |
胸水よりArcanobacterium haemolyticumを分離した1例を経験した。症例は,45歳男性で,平成17年2月より脳出血後遺症のため他院にて療養中,たびたび肺炎を繰り返していた。当院転院10日前に39℃台の発熱を認め,肺炎が疑われmeropenemが投与されていた。解熱傾向は見られたものの呼吸状態が増悪したため,平成17年10月に当院呼吸器内科入院となった。入院時の胸部X線写真において,左肺全体の透過性低下を認めた。また,胸部CT検査により左胸水貯留を認めたため,左胸腔ドレナージおよび洗浄,抗菌薬投与が施行された。胸水のグラム染色にてグラム陽性桿菌が観察され,A. haemolyticumと同定した。治療により炎症反応はしだいに低下し,胸水からの本菌検出もなくなり,左胸膜肥厚は残存するものの,平成17年12月に退院となった。本症例は,A. haemolyticumによって胸膜炎を起こした症例であった。 |
Keywords |
Arcanobacterium haemolyticum, 日和見感染, 膿胸 |
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