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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
気管支拡張症患者に発症したExophiala dermatitidisによる難治性の肺黒色真菌症の1例 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
棚町 千代子, 橋本 好司, 中田 一徳, 佐川 公矯 |
| 所属 |
久留米大学病院臨床検査部 |
| 発行 |
臨床微生物：18（1），25─30，2008 |
| 受付 |
平成19年3月29日 |
| 受理 |
平成20年1月9日 |
| 要旨 |
症例は53歳，女性，気管支拡張症の既往があり，黄色痰と前胸部痛を主訴として入院。胸部X線写真，胸部CTにおいて右下肺野の陰影を認め，肺真菌症が疑われた。患者の気管支肺胞洗浄液のグロコット染色標本に多数の酵母様真菌を認めた。細菌培養検査においては，喀痰・気管支肺胞洗浄液培養の結果，発育初期に35℃培養では黒色酵母様コロニーを形成したため，黒色酵母black yeastと考えられた。しかし，27℃培養では糸状のコロニーを形成したため，二形性黒色真菌であるExophiala dermatitidisと確定した。miconazole（MCZ）にflucytosine（5-FC），itraconazole（ITCZ）を加え加療し，現在，菌の検出は認められない。E. dermatitidisは肺真菌症の原因菌としてはまれであり，菌種が同定されたことにより適切な治療が行われたものと思われる。医療進歩の反面，immunocomprised patientは増加し，新興，再興を含めた真菌症の増加も予想されるため，今後，真菌検査に精通する必要があると思われる。 |
| Keywords |
Exophiala dermatitidis, dematiaceous fungi, pulmonary chromomycosis |
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