日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	愛知県3病院におけるIMP-型メタロ-β-ラクタマーゼ産生ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌の検出例の検討
論文言語	J
著者名	松波　充子1）, 奈田　俊2）, 土屋　洋子3）, 竹田　良一1）, 佐藤　伸子3）, 馬場　尚志2）,4）, 柴田　尚宏5）, 荒川　宜親5）
所属	1）西尾市民病院診療技術部臨床検査室 2）名古屋大学医学部附属病院検査部 3）一宮市民病院臨床検査科 4）名古屋大学医学部附属病院難治感染症部 5）国立感染症研究所細菌第二部
発行	臨床微生物：18（2），100─108，2008
受付	平成19年6月8日
受理	平成20年4月23日
要旨	愛知県内3病院（A，B，C）において，2002年5月から2003年9月までに，12名の患者から24株のメタロ-β-ラクタマーゼ産生菌を分離した。A病院では，外科病棟3名の患者からAcinetobacter baumannii，B病院では，血液内科病棟5名の患者からPseudomonas putida，C病院では，内科，泌尿器科病棟および外来で4名の患者からAlcaligenes xylosoxidansが分離された。それぞれの菌株について薬剤感受性試験，SMAディスクを用いたMBL産生性の確認，PCR法を用いたIMP-1型グループのβ-ラクタマーゼ遺伝子の検査を行った。また，同一病院内で複数の患者からMBL産生菌が分離されたため，同一菌の伝播を疑いパルスフィールドゲル電気泳動（PFGE）法による遺伝子型の解析を行った。全菌株はIMP-1型グループのβ-ラクタマーゼ遺伝子を有し多剤に耐性を示した。同一患者から分離された菌株はすべてPFGEの解析において同一パターンを示した。また，同一病院由来の3菌種は，A病院の3名中1名からのA. baumanniiを除き，それぞれPFGE型の解析において同一パターンを示した。臨床的背景を調査した結果，基礎疾患，手術，術後の医療デバイス，長期入院など共通のリスクファクターを有する患者が多く見られた。現時点においては，これらブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌群に属する菌種はいずれも臨床検体からの分離頻度は低いが，長期間にわたり同一病棟に定着する可能性があるため警戒が必要である。
Keywords	メタロ-β-ラクタマーゼ（MBL）産生菌, Acinetobacter baumannii, Pseudomonas putida, Alcaligenes xylosoxidans, IMP-1