日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	非AIDS患者に発症したMycobacterium aviumによる全身播種性非結核性抗酸菌症の一例
論文言語	J
著者名	小口　はるみ1）, 佐藤　俊夫2）, 鈴木　剛史3）, 伯耆原　慎也4）, 下村　雅彦4）, 春日　恵理子3）, 松本　竹久3）, 日高　恵以子3）, 川上　由行5）, 両角　和雄1）, 蜂谷　勤6）
所属	1）諏訪赤十字病院検査・輸血部 2）諏訪赤十字病院循環器科 3）信州大学医学部附属病院臨床検査部 4）諏訪赤十字病院病理部 5）信州大学医学部保健学科病因病態検査学講座病因生体防御系 6）諏訪赤十字病院呼吸器科
発行	臨床微生物：18（3），193─198，2008
受付	平成20年1月30日
受理	平成20年6月13日
要旨	症例は46歳女性。発熱・頚部リンパ節腫脹・腰背部痛を主訴に近医受診し，脊椎MRI(T2WI）にて胸腰椎椎体内に多発する高信号病変を指摘され，当院紹介入院となる。進行性の頚部リンパ節腫脹，MRIでの多発骨髄病変を認め，骨髄疾患，悪性腫瘍，膠原病，感染症などを疑い，各種検査が実施された。最終的に左腸骨骨髄液，右腸骨生検，第5腰椎椎体生検の抗酸菌検査によりMycobacterium aviumが培養され，M. aviumによる多発脊椎炎と診断された。HIV抗体およびHTLV-1抗体はともに陰性であり，明らかな免疫不全を示す所見はなかった。非結核性抗酸菌による肺外部位の感染はまれであり，さらに，非AIDS患者に発症する例は少ない。本症例は，非AIDS患者に発症した播種性非結核性抗酸菌症であり貴重な症例と考えられた。
Keywords	Mycobacterium avium, 多発脊椎炎, 非AIDS患者, 播種性非結核性抗酸菌症