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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
BIVRおよびNon-BIVR株に対するImipenemとグリコペプチド系薬の併用効果―接種菌量および培養時間による影響― |
論文言語 |
J |
著者名 |
永沢 善三, 中島 由佳理, 於保 恵, 草場 耕二 |
所属 |
佐賀大学医学部附属病院検査部 |
発行 |
臨床微生物:18(3),199─202,2008 |
受付 |
平成20年3月5日 |
受理 |
平成20年5月28日 |
要旨 |
Staphylococcus aureusのin vitroにおける抗菌薬併用効果は,チェッカーボード法によるfractional inhibitory concentration(FIC)indexで評価される。筆者らはβ-lactam antibiotic induced vancomycin-resistant MRSA(BIVR)株およびnon-BIVR株を用い,接種菌量(106および107 cfu/ml)および培養時間(24および48時間)を変えimipenem(IPM)とteicoplanin(TEIC)の併用群と,IPM と vancomycin(VCM)の併用群それぞれのFIC indexにおける最小値と最大値について評価した。
BIVR, non-BIVR株ともにIPM-TEIC群では接種菌量によるFIC indexの差はなく,24時間培養でのFIC indexは最小値,最大値ともに著しい相乗~相加作用,48時間培養では相加または不変に低下した。一方,IPM-VCM群ではFIC index最小値は両培養時間ともに著しい相乗~相加作用を示した。しかし,FIC index最大値では両培養時間ともに相加~拮抗作用を示し,この傾向は107 cfu/mlの接種およびBIVR株のほうで若干高く,その併用効果に関しては種々のパターンを取ることが判明した。以上より,BIVR株でのβ-lactam系薬とグリコペプチド系薬の併用効果を検討する際は,FIC indexが最小を示す薬剤濃度のみならず,接種菌量や培養時間およびFIC indexが最大を示す薬剤濃度を用い評価する必要がある。 |
Keywords |
グリコペプチド系薬, カルバペネム系薬, 薬剤併用効果 |
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