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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
結核菌検出におけるコバスTaqManMTB法とコバス アンプリコア法の比較検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
吉多 仁子1), 松本 智成2) |
所属 |
大阪府立独立行政病院機構大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター
1)臨床検査科・2)臨床研究部 |
発行 |
臨床微生物:18(4),252─258,2008 |
受付 |
平成20年5月19日 |
受理 |
平成20年9月22日 |
要旨 |
〔目的〕コバス TaqManMTB(TaqMan法,Roche)とコバス アンプリコア(コバス法,Roche)の比較およびTaqMan法の判定無効(invalid)発生原因についての検討。
〔対象・方法〕2007年5月~7月の3カ月間,肺結核患者70例および非結核性肺疾患患者30例から採取した喀痰100検体を対象に塗抹・培養と上記PCRを同時に施行した。
〔結果〕コバス法とTaqMan法ともに陽性が53例,ともに陰性は44例で一致率は97%であった。不一致はコバス法陽性・TaqMan法陰性の1例,コバス法陽性と陰性にTaqMan法invalidが各1例あった。肺結核例70検体は,塗抹陽性・培養陽性41例,塗抹陰性・培養陽性19例,塗抹陰性・培養陰性10例であった。結核菌培養陽性60検体中,コバス法陽性が55例,TaqMan法陽性は53例であり,結核菌培養陽性に対する感度はコバス法が91.7%,TaqMan法は88.3%となった。非結核性肺疾患由来の検体でTaqMan法にinvalidが1例あり,その他はともにすべて陰性であり,非結核疾患での特異度は100%となった。
〔考察〕TaqMan法の培養陽性検体での感度はコバス法と同程度であり,増幅・測定が同時に行われ迅速な結核の診断に寄与すると考えられた。TaqMan法のinvalidは阻害物質ではなく,混和不良による不反応が原因と考えられた。 |
Keywords |
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