日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	Japan Antifungal Surveillance Programによる真菌臨床分離株の抗真菌薬感受性に関する調査（3）：2005年度報告
論文言語	J
著者名	山口　英世1）, 西山　彌生1）, 内田　勝久1）, 高橋　長一郎2）, 川島　千恵子3）, 林　和4）, 川上　小夜子5）, 安達　桂子6）, 奥住　捷子7）, 三澤　慶樹8）, 小栗　豊子9）, 沖村　幸枝10）, 北澤　俊美11）, 堀　雅子12）, 戸坂　雅一13）, （抗真菌薬感受性サーベイランス研究会）
所属	1）帝京大学医真菌研究センター 2）山形大学医学部附属病院中央検査部 3）足利赤十字病院臨床検査部 4）自治医科大学附属さいたま医療センター 5）帝京大学医学部附属病院中央検査部 6）東京都老人病医療センター研究検査部 7）獨協医科大学病院医療安全管理部 8）東京大学医学部附属病院感染制御部 9）順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部（現所属：亀田綜合病院臨床検査部） 10）信州大学医学部附属病院臨床検査部 11）きっこう会総合病院多根病院中央検査部 12）岡山済生会総合病院中央検査科 13）熊本大学医学部附属病院中央検査部
発行	臨床微生物：19（3），128─141，2009
受付	平成20年11月21日
受理	平成21年5月1日
要旨	Japan Antifungal Surveillance Program第3回調査研究を，2005年6，7月の2カ月間に全国11施設において臨床検体から分離されたCandida属酵母541株，非Candida属酵母15株およびAspergillus属菌18株を対象に実施した。Candida属酵母および非Candida属酵母の各分離株についてはfluconazole（FLCZ），itraconazole（ITCZ），voriconazole（VRCZ），およびflucytosine（5-FC）のMICを，Aspergillus属菌分離株についてはITCZとVRCZのMICを，それぞれCLSI M27-A2法および日本医真菌学会法により測定した。主要Candida属酵母の菌種分布は，C. albicans（333株，57.8％），C. glabrata（104株，18.6％），C. tropicalis（46株，8.0％），C. parapsilosis（27株，4.7％），C. krusei（14株，2.4％）の順であった。FLCZ，ITCZ，VRCZのいずれかに対して耐性を示す分離株は，C. albicansおよびC. parapsilosisでは認められず，C. tropicalisでも5％以下の頻度にとどまった。これに対して，C. glabrataではそれぞれ7.5，9.3，1.9％，C. kruseiではそれぞれ93，14，14％と頻度がより高く，とりわけC. kruseiのFLCZに対するMICの上昇が顕著であった。5-FC耐性の頻度は，C. tropicalis（6.5％）を除けば，すべての菌種で2％以下であった。非Candida属酵母分離株の最多菌種Trichosporon asahii（8株）については，アゾール系薬剤耐性と推定される株は検出されなかった。一方，A. fumigatus分離株17株中の1株は，ITCZに対して低感受性(MIC，＞8 μg/ml）を示したが，VRCZ感受性は高かった（MIC，0.5 μg/ml）。前2回の調査結果と比較して，一部の菌種に特定の薬剤に対する耐性頻度の上昇傾向がみられ，臨床分離株抗真菌薬感受性の調査の重要性が示唆された。
Keywords	抗真菌薬感受性試験, 抗真菌薬感受性サーベイランス, 真菌臨床分離株, Candida属菌種分布, 薬剤耐性