日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

Full Text of PDF (1103K)
Article in Japanese

論文名	Nocardia asiaticaによる脳膿瘍の1症例
論文言語	J
著者名	龍　あゆみ1）, 河原　隆二2）, 森　康輔3）, 田村　雅一3）, 中野　恭子1）, 吉岡　あや子1）, 綾城　正子1）, 冨田　晃司1）, 山崎　知行1）, 田中　幸子1）, 丸野　元彦3）, 矢沢　勝清4）, 三上　襄4）
所属	1）大阪府立成人病センター臨床検査科 2）大阪府立公衆衛生研究所感染症部細菌課 3）大阪府立成人病センター脳神経外科 4）千葉大学真菌医学研究センター
発行	臨床微生物：19（3），163─170，2009
受付	平成20年2月29日
受理	平成21年4月28日
要旨	Nocardia属細菌を術中に採取した脳膿瘍から分離し，16S rRNA遺伝子の塩基配列の解析により，2004年に新種として報告されたNocardia asiaticaと同定した。薬剤感受性試験の結果よりsulfamethoxazole/trimethoprimおよびimipenem/cilastatinを投与したが発熱の遷延と胸部異常影の出現より薬剤性肺炎が疑われ，minocycline（MINO）の単剤に変更した。その後状態は安定した。手術から約2カ月後に退院し，MINOの内服を約1年間続行し再発は見られていない。近年Nocardia属細菌の新種が相次いで報告されているが，本菌種をはじめ数多くの新種のNocardia属細菌に対して，薬剤感受性および感染経路，臨床的な経過などの特徴を明らかにすることが今後の課題である。
Keywords	Nocardia asiatica, brain abscess, 16S rRNA gene, minocycline