日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	Mycobacterium fortuitumによる腹部ポート感染の1例
論文言語	J
著者名	河村　亨1）, 宮里　明子2）, 岩佐　紀宏3）, 関　沙織1）, 田地　功忠1）, 橋北　義一4）, 渡辺　典之4）, 霜島　正浩5）, 光武　耕太郎2）, 池淵　研二1）
所属	1）埼玉医科大学国際医療センター中央検査部 2）埼玉医科大学国際医療センター感染症科感染制御科 3）埼玉医科大学国際医療センター婦人科腫瘍科 4）埼玉医科大学病院中央検査部細菌検査室 5）株式会社ビー・エム・エル安全試験部細菌課
発行	臨床微生物：19（3），177─181，2009
受付	平成21年3月16日
受理	平成21年7月1日
要旨	腹部ポート部に生じたMycobacterium fortuitum感染症の1例を報告する。症例は39歳女性で，卵巣がんの化学療法目的に留置されたポートの感染が疑われ，ポート抜去術が施行された。摘除されたポート検体は，BHIブイヨンによる増菌培養を実施し，培養2日後，Ziehl-Neelsen染色により抗酸菌が確認され，後日の培養結果で，M. fortuitumと同定された。薬剤感受性検査は寒天平板希釈法で実施され，各薬剤のMICはCPFX 0.2 μg/ml，MINO 0.78 μg/ml，CAM＞100 μg/ml，AMK 6.25 μg/ml，IPM 100 μg/mlであった。M. fortuitumに対する抗菌薬は当初，IPM，CAM，AMKの3薬剤を使用したが，IPMをCPFXに変更後，症状の改善が見られた。その後LVFXの内服で治療を継続し合計6カ月の治療を行った。今回の症例ではポートの抜去に加え，迅速な菌種推定と薬剤感受性検査結果を踏まえた抗菌薬療法が，短期間での臨床所見改善の一つの要因と思われる。
Keywords	Mycobacterium fortuitum, ポート感染, 非結核性抗酸菌感染症