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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
SOL-M核酸抽出法を用いたコバスTaqMan48MTB・MAIの検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
守屋 任1), 星野 史恵1), 加藤 稔1), 立原 政徳1), 照沼 和子1), 椎名 將昭1), 塚原 忠1), 石川 淳1), 樋口 久晃1), 斎藤 武文2), 深井 志摩夫3) |
所属 |
1)国立病院機構茨城東病院研究検査科
2)国立病院機構茨城東病院呼吸器内科
3)国立病院機構茨城東病院呼吸器外科 |
発行 |
臨床微生物:19(4),213─219,2009 |
受付 |
平成21年5月25日 |
受理 |
平成21年9月4日 |
要旨 |
抗酸菌症診療において,結核菌群と非結核性抗酸菌群の迅速かつ正確な鑑別が重要であり,以前より遺伝子を標的とした検査技術の研究開発が進められてきた。本研究の目的は自動核酸増幅検出装置コバスTaqMan48(以下,CTM)の核酸抽出行程短縮化のために開発された核酸抽出試薬タックマンマイコ用検体前処理試薬添加剤セット「SOL-M」,および同検出装置用に作成されたMycobacterium avium,Mycobacterium intracellulareの核酸増幅同定試薬であるCTM MAIの性能を従来法と比較検討することである。臨床材料176検体を対象に,SOL-Mおよび従来の核酸抽出溶液を用い,CTM,コバスアンプリコア(以下,従来法)の結果と比較検討した。また培養法の結果を標準とした感度,特異度を算出し比較した。SOL-Mを応用した核酸抽出は従来の核酸抽出法と比較し,約40分短縮した。感度,特異度は,両法において有意差は認めなかったがSOL-M抽出CTMがやや高い結果を示した。また増幅阻害発生頻度はSOL-M抽出CTMが従来法より有意に低値であった。今回の結果からSOL-M抽出CTMは,従来法に比し感度・特異度で同等以上であり,業務量軽減に加え,迅速かつ増幅阻害が少ない方法であると結論した。 |
Keywords |
TaqMan48, TaqManMAI, SOL-M, Mycobacterium tuberculosis complex, Mycobacterium avium, Mycobacterium intracellulare |
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