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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Corynebacterium amycolatumによる人工弁心内膜炎の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
竹澤 理子1), 小野 由可1), 鵜原 日登美1), 油井 明美1), 大楠 清文2), 江崎 孝行2) |
所属 |
1)三井記念病院 検査部
2)岐阜大学大学院医学系研究科 病原体制御学分野 |
発行 |
臨床微生物:19(4),236─240,2009 |
受付 |
平成21年3月12日 |
受理 |
平成21年10月20日 |
要旨 |
症例は56歳男性。人工弁の心内膜炎の診断で,弁再置換術が実施された。血液培養からコリネバクテリウム様好気性グラム陽性桿菌が分離されたが市販の同定キットでは同定できなかった。人工弁に付着していた疣贅は,グラム染色にてグラム陽性桿菌が観察されたが,培養陰性であった。血液培養分離菌は16S rRNA遺伝子解析により,Corynebacterium amycolatumと同定された。疣贅組織からも検出菌と同一の遺伝子配列を示す細菌16S rRNA遺伝子が検出された。以上より,C. amycolatumによる人工弁の感染性心内膜炎と診断された。C. amycolatumによる心内膜炎の報告は極めてまれであり本邦初の報告となるが,誤同定による過小評価の可能性が指摘されており,同定には注意が必要である。 |
Keywords |
Corynebacterium amycolatum, 感染性心内膜炎, 人工弁, 血液培養, 遺伝子検査 |
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