| 論文名 |
嫌気性グラム陰性桿菌として見過ごされやすいフットボール型Clostridiumの同定に関する検討 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
大門 康志1）, 田中 香お里2）, 渡邉 邦友2） |
| 所属 |
1）京都府立与謝の海病院臨床検査科
2）岐阜大学生命科学総合研究支援センター・嫌気性菌研究分野 |
| 発行 |
臨床微生物：20（1），9─19，2010 |
| 受付 |
平成21年6月19日 |
| 受理 |
平成21年11月2日 |
| 要旨 |
通常芽胞が見られないうえグラム陰性に染色されるフットボール型の細胞形態をもつClostridiumについて，その生化学性状についての検討を行い簡易同定に有用な鑑別性状を抽出した。形態的特徴，終末代謝産物分析および16S ribosomal RNA遺伝子配列に基づいて同定されたClostridium hathewayi，Clostridium clostridioforme，Clostridium bolteae，Clostridium citroniae，Clostridium aldenense，Clostridium symbiosumの6菌種は，市販の同定キット（API 20A，Rapid ID32A）を利用した生化学性状および酵素反応により次のように鑑別された。Indole産生菌種はC. citroniaeとC. aldenenseであり，この2菌種の鑑別性状としては，rhamnose，β-glucuronidase，β-galactocidaseが適していた。Indole非産生の4菌種のうちC. symbiosumのみがα-galactocidase陰性であった。C. hathewayiは，cellobiose陽性，α-arabinosidaseおよびβ-N-acetylglucosaminidase陽性により鑑別可能であった。C. clostridioformeとC. bolteaeの鑑別については，性状が類似しており鑑別はやや困難であった。また，C. symbiosumは酵素反応を用いなくても集落形態から鑑別可能であった。 |
| Keywords |
Clostridium clostridioforme, Clostridium bolteae, Clostridium hathewayi, Clostridium citroniae, Clostridium aldenense |
