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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
嫌気性スピロヘータBrachyspira pilosicoliによる菌血症の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
千田 澄江1), 明壁 均1), 大楠 清文2), 江崎 孝行2) |
所属 |
1)常滑市民病院 臨床検査センター
2)岐阜大学大学院医学系研究科病原体制御学分野 |
発行 |
臨床微生物:20(1),44─49,2010 |
受付 |
平成21年6月29日 |
受理 |
平成21年12月4日 |
要旨 |
Brachyspira pilosicoliはヒトや動物の腸管スピロヘータ症の原因菌である。本菌の血液からの分離例は本邦ではまだ報告がない。我々は血液培養よりB. pilosicoliを分離できた症例を経験したので報告する。患者は東南アジアに渡航歴のある56歳男性。心肺停止状態にて救急搬送され,当院にて蘇生された。血液培養は10日目に陽性シグナルを示した。サブカルチャーは嫌気環境下で4日間行い,血液寒天培地に特徴的な弱いβ溶血を示すフィルム状コロニーが発育した。16S rRNA遺伝子の塩基配列相同性によってB. pilosicoliと同定された。当院では以前Helicobacter cinaedi敗血症を経験したことから,血液培養期間を7日から10日間に変更した。よって,この培養時間の延長がなければ見逃されていた症例である。 |
Keywords |
Brachyspira pilosicoli, bacteremia, intestinal spirochaetosis, blood culture, 16S rRNA gene |
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