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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
小児細菌性髄膜炎40例の臨床的・細菌学的検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
池上 志乃富1), 糸見 世子2), 楢本 和美1), 西山 秀樹1), 村上 いつか1), 浅見 さをり1), 白山 秀夫1), 後藤 眞里子1), 湯浅 典博1) |
所属 |
1)名古屋第一赤十字病院検査部
2)名古屋第一赤十字病院小児科 |
発行 |
臨床微生物:20(2),118─124,2010 |
受付 |
平成21年4月24日 |
受理 |
平成22年4月6日 |
要旨 |
背景と目的:細菌性髄膜炎は神経学的後遺症や致命率の点から小児感染症の中でも重要な疾患である。本研究の目的は近年の本症の臨床的,細菌学的特徴を明らかにすることである。対象:1995年から2007年の13年間に当院小児科で治療された細菌性髄膜炎症例40例。方法:対象期間,発症時期,年齢,性,血液と髄液検査成績,頭蓋内合併症(硬膜下膿瘍あるいは硬膜下水腫),入院日数,起因菌,抗菌薬の感受性について検討した。結果:起因菌はHaemophilus influenzae(Hi)22例,group B streptococci 6例,Streptococcus pneumoniae 6例,Escherichia coli 2例,その他4例であった。2002年以降Hiによる髄膜炎は増加しており,秋冬に多く,4カ月から4歳に多かった。頭蓋内合併症発症例は40例中17例(43%)に認め,近年増加しており,4カ月から11カ月に有意に多く,男児,ABPC耐性Hiに多い傾向が見られた。結論:小児の細菌性髄膜炎は近年,Hiによるものが増加しており,頭蓋内合併症も増加している。 |
Keywords |
細菌性髄膜炎, 耐性菌, Haemophilus influenzae, BLNAR, 頭蓋内合併症 |
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