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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
コバスアンプリコアのPCR増幅産物をテンプレートとしたSecond Step PCR法によるMycobacterium kansasiiの検出法 |
論文言語 |
J |
著者名 |
赤松 紀彦1), 柳原 克紀1), 松田 淳一1), 木谷 貴嘉1), 山田 舞子1), 森 沙耶香1), 山田 恭暉1,3), 河野 茂2), 上平 憲1,3) |
所属 |
1)長崎大学病院検査部
2)同第二内科
3)長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病態解析・診断部門 |
発行 |
臨床微生物:20(2),125─129,2010 |
受付 |
平成21年10月15日 |
受理 |
平成22年4月6日 |
要旨 |
現在,臨床検査として実用化されている抗酸菌の核酸増幅同定検査はMycobacterium tuberculosis(M. tuberculosis),Mycobacterium avium(M. avium)およびMycobacterium intracellulare(M. intracellulare)の3菌種に限られており,それ以外の菌種を同定するにはDDHマイコバクテリア(極東製薬工業)や抗酸菌鑑別セット(極東製薬工業)を用いた方法を行わなければならない。しかし,これらの方法は培養を必要とするため,同定までに時間がかかる。
そこで本研究では,現状の検査室レベルで容易に導入できる簡便な方法,すなわち,全自動PCR測定装置コバスアンプリコア(ロシュ・ダイアグノスティックス)のPCR増幅産物をテンプレートとしたSecond step PCR法(本法)でMycobacterium kansasii(M. kansasii)の迅速検出を試みた。既存の臨床分離抗酸菌株8株において,本法ではM. kansasiiの2/2株,その他0/6が陽性となった。また,抗酸菌塗抹・培養陽性の喀出痰35検体において,DDHマイコバクテリアにて同定済みのM. kansasii培養陽性の7/7検体,その他の菌種培養陽性の0/28検体が陽性となった。
以上のことから,本法は塗抹陽性・コバスアンプリコアPCR陰性検体における培養を必要としないM. kansasiiの迅速検出法として有用であることが明らかとなった。 |
Keywords |
非結核性抗酸菌, Mycobacterium kansasii, PCR |
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