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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 腸管出血性大腸菌の選択分離鑑別培地クロモアガーO26・O157(SEL)の基礎的検討
論文言語 J
著者名 冨岡 政江1), 岡元 満2), 中根 邦彦3), 遠山 一郎2), 金子 孝昌4)
所属 1)岡崎市医師会公衆衛生センター
2)財団法人東京顕微鏡院
3)岡崎市保健所
4)関東化学株式会社
発行 臨床微生物:20(3),195─202,2010
受付 平成22年1月6日
受理 平成22年6月18日
要旨  腸管出血性大腸菌(EHEC)保存株144株を用いてクロモアガーO26・O157(SEL)と従来のソルビトール,ラムノースならびにソルボースの発酵性を指標とした分離培地を評価した。特異酵素基質を利用したクロモアガーO26・O157(SEL)は,1枚の平板培地上で主要3血清群を簡易鑑別(O157;赤系,O26;緑系,O111;赤紫系)した。添加回収試験によりクロモアガーO26・O157(SEL)は供試したいずれのEHECも103 CFU/gまで検出可能であることを認めた。さらに,糞便検体からのEHEC類似コロニー出現率を評価し,O157偽陽性率は5.6%,O26は2.8%,O111は6.8%出現し,3血清群の偽陽性頻度は15.2%であった。これらの偽陽性株のEnterohemolysin(E-Hly)産生性を調べたが,すべて陰性であった。本培地とE-Hly培地を組み合わせることにより,EHECを簡便に鑑別できることが推察された。
Keywords 酵素基質培地, クロモアガーO26・O157, 腸管出血性大腸菌, スクリーニング
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