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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
白癬とその原因菌に関する基礎的研究の現状 |
論文言語 |
J |
著者名 |
山田 剛1), 槇村 浩一1,2) |
所属 |
1)帝京大学医真菌研究センター
2)帝京大学医学部 |
発行 |
臨床微生物:21(1),1─10,2011 |
受付 |
平成23年2月7日 |
受理 |
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要旨 |
白癬はわれわれにとって極めて身近な感染症であり,わが国における推定患者数は2,000万人を超えている。本症の原因菌である白癬菌の基礎研究においては,白癬菌といえば“ケラチナーゼ”といわれるほど,ケラチナーゼ(ケラチンを分解するタンパク質分解酵素の俗称)の酵素化学的・生化学的研究が主流であった。しかし,近年の分子生物学の飛躍的な発展に伴い,本菌に関する研究の流れも遺伝子へと徐々に変わりつつある。世界各地で大規模(網羅的)な遺伝子解析が展開されているほか,複数の白癬菌で全ゲノムシーケンシングプロジェクトが実施されている。得られた解析データは個々の遺伝子の機能解析の効率を高め,いまだ不明な点が数多く残る白癬菌の感染メカニズムを理解するための大きな推進力になるものと期待される。 |
Keywords |
白癬, 白癬菌, Trichophyton, ケラチノサイト, 分子生物学 |
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