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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 医療関連感染による伝播が疑われたTEM-132型ESBL産生Klebsiella pneumoniaeについて
論文言語 J
著者名 高橋 真帆1), 柴田 尚宏2), 大屋 貴美子1), 堀水 みさ子1), 長井 一彦3), 荒川 宜親2)
所属 1)勤労者医療協会下越病院 検査室
2)国立感染症研究所細菌第二部
3)勤労者医療協会下越病院 薬剤部
発行 臨床微生物:21(1),11─16,2011
受付 平成19年6月27日
受理 平成22年10月20日
要旨  2003年4月から2004年11月に,当院入院中の患者95名からceftazidime(CAZ)耐性Klebsiella pneumoniaeが検出され,このうち21株について耐性機序を確認するためPCR法により基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)遺伝子の確認とPCR産物のシークエンス解析,パルスフィールド電気泳動(PFGE)によるタイピング解析を行った。PCR法およびシークエンス解析の結果,すべての菌株はblaTEM-132を保有することが確認された。PFGEによるタイピングにより,19株が同じバンドパターンを示し,TEM-132型β-ラクタマーゼ産生K. pneumoniaeのアウトブレイクが疑われた。アウトブレイクに対して,標準予防策に加えて接触感染予防策の強化と病院環境の衛生管理の改善を行うことにより,新規保菌患者の発生が減少した。CAZ-耐性のK. pneumoniaeが産生するESBLの多くはSHV型β-ラクタマーゼであるが,今回の事例ではこれまでに本邦では報告がない,TEM-132型β-ラクタマーゼであった。
Keywords TEM-132型ESBL産生菌, Klebsiella pneumoiae, 院内感染, 陰部洗浄, 吸引痰
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