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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 迅速発育性抗酸菌Mycobacterium farcinogenesによる骨髄炎の1症例
論文言語 J
著者名 磯崎 将博1), 金子 優1), 松下 久美子1), 大楠 清文2)
所属 1)天草郡市医師会立天草地域医療センター 検査部
2)岐阜大学大学院医学系研究科 病原体制御学分野
発行 臨床微生物:21(2),134─137,2011
受付 平成22年8月20日
受理 平成23年3月2日
要旨  患者は66歳の男性。平成20年1月1日自転車で転倒した際に,左下腿骨を開放骨折し骨接合術を受けていた。4月30日頃より受傷部周囲に腫脹・疼痛が出現したため,感染症疑いにて当院整形外科を受診し,治療・手術目的のため入院した。腫脹部の切開排膿術後,培養目的で膿汁が提出された。培養2日目頃よりCorynebacterium属様の乳白色の集落を認めた。グラム染色では薄い陽性に染まる桿菌で,Kinyoun染色では抗酸性に染まる菌と染まらない菌が混在していた。同定困難な菌種の可能性を考え,さらに骨髄炎という病態を考慮し,遺伝子学的解析による同定を選択した。16S rDNAとITS領域の塩基配列を解析した結果,M. farcinogenesであることが判明した。本菌種による感染症は本邦で初めての報告である。
Keywords 骨髄炎, Mycobacterium farcinogenes, 16S rDNA, ITS領域
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