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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Salmonella enterica var. Enteritidisによる感染性腸骨動脈瘤に腸腰筋膿瘍を合併した1症例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
米谷 正太1), 岡崎 充宏2), 西 圭史3), 田内 絢子1), 奥山 貴洋1), 福川 陽子1), 牧野 博1), 荒木 光二1), 大藤 弥穂1), 高城 靖志1), 大西 宏明4), 渡邊 卓1),4) |
所属 |
1)杏林大学医学部付属病院臨床検査部
2)東京大学医学部付属病院感染制御部
3)杏林大学医学部付属病院薬剤部
4)杏林大学医学部臨床検査医学 |
発行 |
臨床微生物:21(3),217─221,2011 |
受付 |
平成23年2月28日 |
受理 |
平成23年6月3日 |
要旨 |
非チフス性サルモネラ属菌は,細菌性腸炎の原因菌として高頻度に分離される菌種であるが,易感染性患者では重篤な腸管外感染症を惹起することが知られている。今回,Salmonella enterica subspecies enterica serovar. Enteritidis(Salmonella enterica var. Enteritidis)による感染性腸骨動脈瘤に腸腰筋膿瘍を合併した症例を経験した。各種の抗菌薬は,本症例の検出菌に対して良好な抗菌力を示したが,初期治療の効果が不十分で感染の再燃が認められた。腸腰筋膿瘍を合併する感染性動脈瘤ではSalmonella sp.が原因菌である頻度が高いため,これを念頭に置いて細菌学的検査および初期治療を進め,菌種の確定後は感受性試験の成績を考慮した抗菌薬の選択と適切な投与量による化学療法を行うべきであると考えられた。 |
Keywords |
Salmonella enterica var. Enteritidis, 腸腰筋膿瘍, 感染性動脈瘤 |
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