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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 Clostridium difficile感染症の迅速診断における糞便中C. difficile抗原およびトキシンA/B同時検出キット：C. DIFF QUIK CHEK COMPLETEの有用性に関する検討
論文言語 J
著者名 澤辺　悦子, 北村　優佳, 古畑　紀子, 高橋　里枝子, 市村　直也, 春山　友希, 武部　功, 萩原　三千男, 東田　修二, 東條　尚子
所属 東京医科歯科大学医学部附属病院検査部
発行 臨床微生物：21（4），253─259，2011
受付 平成23年6月8日
受理 平成23年9月7日
要旨 　Clostridium difficile感染症(CDI）の迅速診断は，糞便中の毒素検出により行われるが検出感度が不十分であり，糞便の毒素検査のみではCDIの診断は見落とされている可能性がある。今回，C. difficile抗原グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH）とtoxin Aとtoxin Bを同時に検出可能な迅速キットC. DIFF QUIK CHEK COMPLETE（アリーアメディカル）(COMPLETE）が日本で初めて発売されたので，その有用性について検討した。対照検査はGDHを検出するイムノカードC. ディフィシル（テイエフビー）およびtoxin A/Bを検出するTOX A/B QUIK CHEK「ニッスイ」（日水製薬）を用い，分離培養法との比較検討を行った。また分離株コロニーからの毒素検出について検討した。その結果，培養法を対照とした場合のCOMPLETEのGDH検出および毒素検出の感度はそれぞれ93.3％，57.7％であった（対照キットの感度はそれぞれ76.7％，50％）。また，特異度はGDH，毒素共に100％の結果であった。分離株のCOMPLETEによる毒素検出は毒素産生株すべてが4 mm大1コロニーで検出可能であり，GDH検出はすべての分離株が陽性であった。これらの結果から，COMPLETEは良好な糞便中GDHの検出感度を有し，CDIのスクリーニング検査として，また分離株の迅速な毒素検出検査としても有用性があると考えられた。
Keywords Clostridium difficile感染症, glutamate dehydrogenase, toxin A, toxin B, toxigenic culture, 院内感染
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