学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 レジオネラ肺炎診断法に関する検討
論文言語 J
著者名 吉岡 浩明1), 高柳 昇2), 石黒 卓2), 小西 光政1), 糸井 正枝1), 丸山 茂樹1), 杉田 裕2)
所属 1)埼玉県立循環器・呼吸器病センター検査技術部
2)埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
発行 臨床微生物:22(1),28─34,2012
受付 平成23年3月28日
受理 平成23年12月16日
要旨  当センターにおける1995年以降のレジオネラ肺炎74症例を対象に,ヒメネス染色,培養検査,尿中抗原検査,抗体価の各検査結果について検討した。ヒメネス染色の陽性率は,喀痰18.2%(2/11例),気管支洗浄液(気管内採痰を含む)10.0%(1/10例),気管支肺胞洗浄液(BALF)40.0%(6/15例)でありLegionella pneumophila血清群2による肺炎例では,尿中抗原検査陰性で,ヒメネス染色が迅速診断に寄与した。一方,尿中抗原検査は43.5%(20/46例)で陽性であった。培養検査の陽性率は,喀痰16.7%(7/42例),気管支洗浄液52.6%(10/19例),BALF 70.0%(14/20例)であった。抗体価上昇は88.2%(60/68例)で認めた。尿中抗原検査は迅速診断が得られる利点はあるが,感度が低かった。ヒメネス染色は尿中抗原検査が可能となった現在でも迅速診断として有用である。
Keywords Legionella, Gimenez stain, culture, urinary antigen test, bronchoalveolar lavage
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