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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Candida属における微量液体希釈法とE-testを用いた薬剤感受性法の比較検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
守重 比路美1), 眞野 容子2), 後藤 美江子3), 小栗 豊子4), 古谷 信彦1),2) |
所属 |
1)文京学院大学大学院保健医療科学研究科
2)文京学院大学保健医療技術学部
3)東京大学医学部付属病院
4)亀田総合病院臨床検査部 |
発行 |
臨床微生物:22(2),112─119,2012 |
受付 |
平成23年12月1日 |
受理 |
平成24年2月10日 |
要旨 |
近年,深在性真菌症の増加やfluconazole(FLCZ)耐性Candida albicansの出現などにより,正確な真菌のMIC値を知ることが重要となっている。そこで今回,Candida属菌についてCLSI M27-A3に基づく微量液体希釈法と手技の簡便なE-testによるMIC値を比較検討した。供試菌としてC. albicans 36株,Candida glabrata 20株,Candida tropicalis 17株および精度管理株7株の計80株,対象薬としてamphotericin B(AMPH-B),flucytosine(5-FC),itraconazole(ITCZ),FLCZの計4薬剤を使用した。両測定法間で1管差以内のMIC一致率が最も高かった薬剤は5-FC(92.5%)で,FLCZ(72.6%),ITCZ(65.0%)がこれに次いでいた。一方,AMPH-Bでは96.3%の株が微量液体希釈法よりE-testにおいて2管以上低値となり,ITCZでは27.5%,FLCZでは25.0%であった。また,C. glabrata,C. tropicalisにおける5-FC,C. tropicalisにおけるFLCZを除く各菌種,各薬剤について,測定法によって薬剤感受性が異なって判定される株が複数認められた。今回の検討では,管差が認められたほとんどの株でE-testのMIC値が微量液体希釈法より低値となる傾向が見られ,判定の際には注意すべき点であると考えられた。 |
Keywords |
Candida, CLSI, broth microdilution, E-test, MIC |
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