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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 ヒト皮膚常在細菌の細菌数測定法に関する臨床研究
論文言語 J
著者名 蓮沼 智子, 中谷 比呂志, 高附 真樹子, 多賀 政晴, 茂貫 洋子, 青木 綾子, 金 徹雄, 飯島 肇
所属 北里大学臨床薬理研究所 バイオイアトリックセンター
発行 臨床微生物:22(2),146─153,2012
受付 平成24年1月13日
受理 平成24年5月18日
要旨  米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)によって開発されたスパイラル・プレーティング法は,食品分野で広く用いられている方法であるものの,医薬品分野では十分に活用されていない。また,スパイラル・プレーティング法では試料1 ml当たり約500 CFU以下の細菌数を測定することは困難であり,幅広い細菌数の測定範囲が必要な生体消毒薬の有効性評価等の用途では,一部寒天平板表面塗抹法もしくは寒天平板混釈法との併用が必要である。そこで今回,スパイラルプレーターを用いる寒天平板表面塗抹法に,細菌数が少ない場合でも測定が可能となるようコンラージ棒を用いる寒天平板表面塗抹法を併用する方法(方法1)と,従来法である寒天平板混釈法(方法2)により,日本人の鼠径部から採取した細菌サンプルを培養し,方法1で細菌数を測定することが可能かどうか確認した(目的1の試験)。さらに,方法1と方法2の操作に要する時間を比較することにより,方法1の利便性を確認した(目的2の試験)。その結果,方法1は方法2と同様に,サンプル中の細菌数を精度良く測定できる可能性が示された。また,方法1は方法2の作業を簡易化,迅速化および省力化することが可能であった。
Keywords 皮膚常在細菌, 細菌数測定, スパイラルプレーター
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