学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 結核性手関節炎の1症例
論文言語 J
著者名 松下 久美子1), 津嶋 かおり1), 金子 優1), 磯崎 将博1), 大楠 清文2)
所属 1)天草郡市医師会立天草地域医療センター 検査部
2)岐阜大学大学院医学系研究科 病原体制御学分野
発行 臨床微生物:22(3),227─230,2012
受付 平成24年5月10日
受理 平成24年8月9日
要旨  症例は85歳男性,左手関節腫脹を自覚し,半年後,他院紹介により当院を受診した。初診時,左手関節液の抗酸菌染色が陽性であったが,塗抹による菌の形態や,1年前に受傷した部位と同部位の腫脹であり,創部からの感染を考え非結核性抗酸菌を疑った。迅速発育性抗酸菌も考慮し培養検査の経過を見たが,2週間経過しても陽性にならなかった。このまま菌の発育を待ち同定検査に進んだのでは診断の遅れが懸念されたため,その時点で関節液の遺伝子検査を実施したところ,結核菌のDNAが検出・同定された。この結果を受け,肺結核の精密検査を施行してもらい,後日肺結核と診断された。骨・関節結核は近年まれな疾患であり,他疾患との鑑別も困難なために診断が遅れる傾向があるため,われわれ検査技師も今後さらなる注意が必要となる。
Keywords 肺外結核, 骨・関節結核, 結核性関節炎, 遺伝子検査
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