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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
各種MRSAスクリーニング培地の比較検討評価 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
木村 圭吾1）, 豊川 真弘1）, 西 功1）, 砂田 淳子1）, 上田 安希子1）, 坂田 友美1）, 井上 依子1）, 浅利 誠志2） |
| 所属 |
1）大阪大学医学部附属病院臨床検査部
2）大阪大学医学部附属病院感染制御部 |
| 発行 |
臨床微生物：22（4），255─262，2012 |
| 受付 |
平成24年4月19日 |
| 受理 |
平成24年9月18日 |
| 要旨 |
Methicillin-resistant Staphylococcus aureus（MRSA）スクリーニング培地であるBrilliance MRSA2（Brilliance，Thermo Fisher），CHROMagar MRSA（CHROM，関東化学）およびMDRS-K（極東製薬）の鼻腔内分泌物からのMRSA検出における有用性を比較検討した。3培地中いずれか一つでもMRSAが検出された検体をMRSA陽性検体，いずれの培地でも検出されなかった検体をMRSA陰性検体と定義したときのsensitivity/specificity/positive predictive value（PPV）/negative predictive value（NPV）は，24 h判定でBrillianceがそれぞれ85.5％/99.7％/96.4％/98.8％，CHROMが87.1％/100％/100％/98.9％，MDRS-Kが85.5％/100％/100％/98.8％であり，24 h判定ではこれら3培地に統計学的有意差を認めなかった。一方，培養48 hで初めて検出されたMRSAがBrillianceで1検体，CHROMで2検体，MDRS-Kで4検体認められ，48 h判定ではいずれの培地においても検出感度の向上が認められたが，Brillianceでは11検体，CHROMでは1検体のMethicillin-sensitive Staphylococcus aureus（MSSA）の発育が認められた。48 h判定のsensitivity/specificity/PPV/NPVは，Brilliance; 87.1％/98.5％/83.1％/98.9％，CHROM; 90.3％/99.9％/98.2％/99.2％，MDRS-K; 91.9％/100％/100％/99.3％であった。一方，borderline MRSA株およびsmall colony variant（SCV）MRSA株を用いた評価では，3培地への発育が不良なSCV株を1株認めたが，他の株は3培地間で発育能・判別能に差を認めなかった。これらMRSAスクリーニング培地を使用する際にはそれぞれの培地の特性を十分に把握し，sensitivity・specificityを高く維持できるよう，適切に使用する必要があると思われた。 |
| Keywords |
Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), Brilliance MRSA2, CHROMagar MRSA, MDRS-K |
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