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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
長時間加圧Brain Heart Infusion培地を用いた腸管出血性大腸菌O157: H7の迅速H型別法 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
青木 日出美1）＊, 山崎 貢2）＊, 林 智子1）, 巽 則雄3）, 服部 悟1） ＊筆頭著者 |
| 所属 |
1）愛知県衣浦東部保健所
2）愛知県一宮保健所
3）安城更生病院 |
| 発行 |
臨床微生物：22（4），272─278，2012 |
| 受付 |
平成24年8月3日 |
| 受理 |
平成24年10月16日 |
| 要旨 |
大腸菌の鞭毛抗原の血清型（H血清型）は，一般的には試験菌を3～5回半流動培地を通過させて運動性を増強後，ブイヨン培養し，これを1％ホルマリン加生理食塩水で固定したH抗原液と免疫血清を用いて凝集反応を行い決定する（以下，従来法）。われわれは，長時間加圧滅菌したBrain Heart Infusion（BHI）培地で腸管出血性大腸菌（enterohemorrhagic Escherichia coli: EHEC）O157: H7を培養すると菌の運動性が著しく増強される現象を見いだし，さらに本現象を応用してEHEC O157のH7抗原を短期間に検出できる血清型別法（以下，迅速H型別法）を開発した。迅速H型別法は煩雑な継代培養を必要とせず，121℃，120分加圧処理したBHI培地で6時間，もしくは24時間培養するだけでH抗原液を調製できる。迅速H型別法により88株のEHEC O157: H7を検査した結果，うち85株（97％）を1～2日でH7に型別できた。残り3株は迅速H型別法で型別できなかったが，これら3株は従来法において継代培養を6回以上（培養2週間以上）も必要とする運動性微弱株であった。今回開発した迅速H型別法は，検査期間を大幅に短縮（5～7日を1～2日）可能であるうえH血清の使用量を約30％削減できるので臨床微生物検査における活用が期待される。 |
| Keywords |
腸管出血性大腸菌O157, 鞭毛抗原, H血清型別, 迅速検査法, Maillard反応 |
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