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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 微量液体希釈法によるStaphylococcus属菌のClindamycin誘導耐性検出の比較検討
論文言語 J
著者名 佐野 加代子1), 瀧澤 かすみ1), 黒沢 貴之1), 平野 智1), 佐藤 泰之1), 佐藤 芳美1), 住友 みどり1), 荏原 茂1), 渡邉 眞一郎1), 満田 年宏2)
所属 1公立大学法人横浜市立大学附属病院臨床検査部
2公立大学法人横浜市立大学附属病院感染制御部
発行 臨床微生物:23(1),12─19,2013
受付 平成24年10月4日
受理 平成25年1月16日
要旨  臨床検査実務におけるStaphylococcus属菌に対するClindamycin(CLDM)誘導耐性の検出方法には,ディスク拡散法を応用したDゾーンテスト法と微量液体希釈法がある。これまで多くの施設ではCLDM誘導耐性試験をDゾーンテスト法により検出されていた。Clinical Laboratory Standards Institute(CLSI)ではM100-S18以降,微量液体希釈法でCLDM誘導耐性を検出する場合は4 μg/mLのErythromycin(EM)および0.5 μg/mLのCLDMの両抗菌薬を含むウェルにおける菌の発育の有無を判定することが基準化された。今回我々はDゾーンテスト法を対照としてCLDMならびにEMの2薬剤が共存固相された感受性試験プレートを用いStaphylococcus属菌の国内臨床分離菌株に対して,CLDM誘導耐性の検査に用いられるこの2薬剤の濃度の組み合わせが検出に及ぼす影響を検討した。その結果,Dゾーンテスト法を対照とした場合の感度と特異度は共に100%であった。さらにEM濃度が2~8 μg/mLで,かつCLDM濃度が0.25~1 μg/mLでの範囲の組み合わせの時に,最も適切に誘導耐性が判定可能であることが判明し,CLSI準拠検査法の妥当性が確認された。
Keywords Staphylococcus spp., D-zone test, macrolide-lincosamide-streptogramin(MLSB)resistance, microdilution methodinducible clindamycin-resistant
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