|
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
論文名 |
血液培養からArcanobacterium haemolyticumが分離された1症例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
鞆 美和香1), 福崎 喜美代1), 根ヶ山 清4), 高橋 雅文1), 山本 直子1), 舩本 康申1), 木村 朋生2), 桑島 正道3) |
所属 |
1)社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院臨床検査部
2)社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院心臓血管センター
3)社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院糖尿病センター
4)香川大学医学部附属病院検査部 |
発行 |
臨床微生物:23(2),107─111,2013 |
受付 |
平成25年3月5日 |
受理 |
平成25年4月18日 |
要旨 |
症例は90歳女性で,入所施設で臥床の多い生活を続け,褥瘡の治療中であった。入院前日に高熱,胸部不快感があり当院循環器内科に入院となった。熱源精査のため入院時に実施した血液培養2セットからArcanobacterium haemolyticumが分離された。cefotiam(CTM)を投与後の血液培養は陰性となったが,発熱および炎症反応の改善がみられなかった。入院後,患者に肩関節炎を認めたため,褥瘡と肩関節炎に対する加療の結果,発熱および炎症反応は低下し,入院42日後に退院となった。
A. haemolyticumはヒトの咽頭や皮膚の常在菌叢として存在している。今回,本菌が弱毒であるにもかかわらず,血液培養2セットから検出され,菌血症の起炎菌であった稀な症例を経験したので報告する。 |
Keywords |
Arcanobacterium haemolyticum, グラム陽性桿菌, β溶血, カタラーゼテスト |
|