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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
糞便中におけるESBLとMBL産生腸内細菌科菌の検出状況 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
吉川 耕平1）, 長川 隼也1）, 園田 美代子2）, 嶋谷 泰明1）, 竹田 真未1）, 木下 幸保1） |
| 所属 |
1）独立行政法人国立病院機構大阪医療センター臨床検査科
2）独立行政法人国立病院機構京都医療センター臨床検査科 |
| 発行 |
臨床微生物：24（1），9─16，2014 |
| 受付 |
平成25年10月7日 |
| 受理 |
平成26年1月29日 |
| 要旨 |
我々は基質拡張型β-ラクタマーゼ（extended spectrum β-lactamase：ESBL）産生菌，メタロ-β-ラクタマーゼ（metallo-β-lactamase：MBL）産生菌の腸管内保菌状況を把握するため，大阪医療センターで提出された糞便310検体を対象にESBLとMBL産生腸内細菌科菌の検出を行った。選択分離培地としてESBLスクリーニング培地であるCHROMagar ESBL培地（関東化学），カルバペネム耐性菌スクリーニング培地であるCHROMagar KPC培地（関東化学）を用いた。培地に発育した菌株について，ESBLの確認試験にはclavulanic acid/amoxicillinディスク，MBLの確認試験にはSMAディスクを用いたdouble disk synergy testを行った。その結果，ESBL産生菌が37検体（11.9％）45株，MBL産生菌が11検体（3.5％）14株検出された。MBL産生菌14株は全てESBLの確認試験も陽性となった。ESBL産生菌45株の内訳はEscherichia coli 20株，Klebsiella pneumoniae 12株，Enterobacter cloacae 6株，Klebsiella oxytoca 3株，Enterobacter aerogenes 1株，Citrobacter freundii 1株，Proteus mirabilis 1株，Morganella morganii 1株であった。MBL産生菌14株の内訳はK. pneumoniae 7株，E. cloacae 3株，K. oxytoca 2株，E. aerogenes 1株，E. coli 1株であった。確認試験が陽性となった菌株に対しPCR法でβ-ラクタマーゼ遺伝子を確定した。遺伝子型はESBL産生菌においてCTX-M-2型が11株と最も多かった。一方，MBL産生菌は14株全てIMP-1型であった。ESBL，MBL産生菌が検出された患者背景は，高齢者で比較的長期の入院患者からの検出が多かった。基礎疾患についてはESBL産生菌では共通したファクターは見つからなかったが，MBL産生菌では悪性腫瘍を有した患者からの検出が優位であった。 |
| Keywords |
ESBL, MBL, RAPD-PCR, active surveillance |
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