学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 Roseomonas gilardii敗血症の1症例
論文言語 J
著者名 嶋村 昌之介1), 長沼 透1), 浦 信行1), 松友 淳2), 勝田 聡2)
所属 1)手稲渓仁会病院総合内科・感染症科
2)手稲渓仁会病院BML検査室
発行 臨床微生物:24(1),36─40,2014
受付 平成25年9月9日
受理 平成26年1月28日
要旨  症例は87歳,女性。発熱,悪寒,全身倦怠感を主訴に入院。全身性炎症反応症候群(SIRS)の基準を満たしたため敗血症を疑い,血液培養2セットを採取した。1/2セットの血液培養からグラム陰性桿菌を検出した。Roseomonas gilardiiと同定し,感受性のあったciprofloxacinで治療した。R. gilardiiは担癌患者や中心静脈カテーテル挿入者において,敗血症を起こす。遅発育性で,数セット採取した血液培養ボトルの中の1セットからしか検出されない場合があるため汚染菌と誤認されやすい。しかし,本症例のように基礎疾患のない症例にも起こりうる。担癌患者や中心静脈カテーテル挿入者の敗血症症例で感染源が特定できない場合は,R. gilardiiによる感染の可能性を考慮し,培養期間の延長や薬剤感受性試験結果の確認が重要である。
Keywords Roseomonas gilardii, 敗血症
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