学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 感染症患者における多ロジスティック回帰分析を用いた菌血症予測
論文言語 J
著者名 河口 豊1), 田城 孝雄2), 田村 昌代1), 石松 昌己1), 村上 悦子1), 高木 理恵子1), 黒川 幸徳1), 通山 薫3)
所属 1)川崎医科大学附属病院中央検査部
2)放送大学大学院生活健康科学
3)川崎医科大学検査診断学
発行 臨床微生物:24(2),114─123,2014
受付 平成25年11月12日
受理 平成26年2月10日
要旨  感染症患者236例を対象に各種臨床検査値やバイタルサインから多変量解析によって血液培養の陰性・陽性の判別を行い,どの因子が関連しているのか,その判別度がバイタルサイン(平均体温,平均心拍数,GCS)のみの判別度に比べどうかについて検討した。その結果,血液培養採取日のヘマトクリット値(Ht),平均心拍数および白血球分画の単球(mono%),採取日と3日前の差(Δ)の値ではΔGCS,ΔT-Bilが有意に関連していた。血液培養陽性の判別度を表すROC曲線下面積は,臨床検査値とバイタルサインを合わせた総合予測指標では0.857,バイタルサインでは0.725,平均体温では0.568であった。血液培養の陽性予測においては,バイタルサインのみによる判別よりも臨床検査値を組み合わせた判別度のほうが良好であった。また,パラメータによっては時間的な変化量で評価することでより的確な予測を行えることが示された。
Keywords 敗血症, 血液培養, バイタルサイン, 多変量解析, ROC曲線
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