学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 医療関係者におけるバイオセーフティに対する意識の現状:日本臨床微生物学会総会参加者を対象としたアンケート調査報告
論文言語 J
著者名 柏谷 淳1), 大久保 孝雄2), 田中 孝志3), 宮田(佐々木) 照美4), 雨澤 貴子5), 伊藤 俊一6), 須崎 有起子7), 高橋 孝8), 後藤 美江子9)
所属 1)がん・感染症センター都立駒込病院臨床検査科
2)日立アプライアンス株式会社空調事業部
3)帝京大学医学部附属病院中央検査部
4)江東微生物研究所微研中央研究所つくば
5)保健科学研究所総合分析センター
6)東ソー株式会社バイオサイエンス事業部
7)シスメックス株式会社学術情報部
8)北里大学大学院感染制御科学府感染症学研究室
9)東京医学技術専門学校臨床検査技師科II部
発行 臨床微生物:24(2),124─130,2014
受付 平成26年1月28日
受理 平成26年3月5日
要旨  医療関係者のバイオセーフティに対する意識調査と実態を把握する事を目的として,2012年1月に開催された日本臨床微生物学会総会参加者を対象に,アンケート形式による意識調査を実施し,415名より回答を得た。  回答者が所属する施設の区分は,医療機関280名,医療関係企業60名,検査センター49名,教育機関等26名であった。職種の内訳は,臨床検査技師321名,医療関係企業56名,医師18名,その他20名であった。  臨床検体の感染性に関する設問では「すべてある」との回答が全体の78.3%(321/410)であったが,施設区分では医療機関81.7%,検査センター81.6%,企業63.2%となった。「試料・検体処理時のマスク・手袋の設問では「必ず両方装着」の回答が全体の54.3%(221/407)であり,医療機関52.7%,検査センター75.5%,企業48.2%となり,施設区分により認識に違いが見られた。  設備・機器の転倒防止等の防災対策に関しては,「すべて対策済み」であったのは全体の21.6%(82/297)のみで,施設区分では,医療機関15.3%,検査センター31.1%,企業40.9%であった。  医療機関のみに対する採血時の防護具着用に関する設問では,「手袋をいつも着用」は87.9%(190/216),「マスクをいつも着用」80.5%(173/215),「安全装置付注射針をいつも利用」は,63.7%(132/207)であった。  これら現状を踏まえて,施設区分ごとにソフト面・ハード面でのバイオセーフティ体制を再整備する必要があると考えられた。
Keywords バイオセーフティ, アンケート調査, 医療関係者
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