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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
血液培養好気ボトルよりLeptotrichia trevisaniiを分離した多発性骨髄腫患者における菌血症の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
米玉利 準1), 大瀧 博文2), 中山 麻美1), 安藤 航平1), 宮崎 崇1), 太田 浩敏1), 古田 伸行1), 渡邉 珠代3), 兼村 信宏4), 伊藤 弘康5), 大楠 清文6), 村上 啓雄3), 清島 満5) |
所属 |
1)岐阜大学医学部附属病院検査部
2)関西医療大学保健医療学部臨床検査学科
3)岐阜大学医学部附属病院生体支援センター
4)岐阜大学医学部附属病院輸血部
5)岐阜大学大学院医学系研究科病態情報解析医学分野
6)東京医科大学微生物学分野 |
発行 |
臨床微生物:24(3),201─206,2014 |
受付 |
平成26年6月17日 |
受理 |
平成26年8月5日 |
要旨 |
多発性骨髄腫患者の血液培養好気ボトルよりLeptotrichia trevisaniiを分離した菌血症例を経験したので報告する。症例は64歳,女性。多発性骨髄腫の治療目的で入院となり,自家末梢血幹細胞移植後に発熱を認めたため,血液培養検査が2セット実施された。1セット目は好気培養ボトルのみにて発育を認め,2セット目は嫌気培養ボトルのみにて発育を認めた。グラム染色所見は染色性が不均一の桿菌であった。サブカルチャーにて嫌気培養を実施したところ,48時間で集落の発育を認めたが,生化学的性状を基にした各種同定キットでは,同定不可であった。そして,16S rRNA塩基配列解析の結果L. trevisaniiと同定された。これまでに,造血器腫瘍を基礎疾患に有する患者における本菌の血流感染が数例報告されているため,菌血症を疑う場合の起炎菌同定に際しては本菌も鑑別に入れ,微生物検査上の種々の特徴を考慮したアプローチが重要である。 |
Keywords |
Leptotrichia trevisanii, 酸素耐性嫌気性菌, 多発性骨髄腫 |
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