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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 耐性菌と戦う臨床細菌検査の有効活用法―電子化による感染対策の高精度化―
論文言語 J
著者名 藤本 修平
所属 東海大学医学部基礎医学系生体防御学(細菌学/感染症学)
発行 臨床微生物:25(1),1─9,2014
受付 平成26年11月10日
受理
要旨  多剤耐性菌の蔓延は医療の安全な実施を脅かしている。これに対する有効な新規抗菌薬の開発は,きわめて不調であり,多剤耐性菌蔓延に対する対応策としては,サーベイランスの実施による科学的根拠の整備,抗菌薬の適正使用による選択圧の軽減,感染対策の強化による菌の施設内拡散の抑止が重要である。筆者らは耐性菌の蔓延と新規抗菌薬の開発不調について危惧し,対策として厚生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS),標準化院内感染症監視システム(SHIPL)の開発維持,2DCM-webのJANIS検査部門システムへの実装などを進めてきた。本稿では,これら臨床細菌検査の結果を自動的に施設内,および多施設サーベイランスデータとして整備する方法,菌の施設内拡散の自動検出と拡散状況の解析を行う方法,さらに,抗菌薬の適正使用の評価にも活用することによって耐性菌に対する対抗策とする方法について概説する。本稿に述べる成果は,志を同じくする多くの人々によって導かれたものである。
Keywords 感染対策, 電子化, JANIS, SHIPL, 2DCM-web
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