日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	1990年から2012年までに分離された腸管出血性大腸菌の臨床微生物学的特徴
論文言語	J
著者名	小林　治1）, 磯崎　将博2）, 北川　真喜3）, 江成　博3,4）
所属	1）七尾市公立能登総合病院臨床検査部 2）天草郡市医師会立天草地域医療センター検査部 3）極東製薬工業株式会社製品開発部 4）岐阜大学生命科学総合研究支援センター嫌気性菌研究分野
発行	臨床微生物：25（1），34─41，2014
受付	平成25年12月9日
受理	平成26年9月16日
要旨	1990年から2012年までに42人から分離・収集した腸管出血性大腸菌enterohemorrhagic Escherichia coli（EHEC）43株を対象に，血清型別，生化学性状，病原遺伝子（stx₁,stx₂,eaeA，aggR，bfpA，astA，hlyA），enterohemolysin（E-hly）産生性，cefixime-tellurite（CT）感受性および患者情報（公立能登総合病院分離株）について検討した。血清群では13血清群と2つの群別不能株に分類され，生化学性状ではE. coliおよびEHEC O157の異型と考えられるlysine陰性，indole陰性，β-_D-galactosidase陰性株や同じくE. coliのsorbitol陰性株，同じくEHEC O157のβ-_D-glucuronidase陽性株が認められた。CT-選択剤添加培地の発育不良株は，eaeA保有36株中O157 2株，O26 2株含む10株およびeaeA非保有7株であった。E-hlyを指標とするEHECの検出法の検討では全供試中1株を除きhlyAを保有することから，今後もE-hlyによるスクリーニングは期待出来る。有症者を対象とする微生物学的検査ではあらゆる血清型や異型性状株への対応も不可欠で，分離・確認培地の使用方法や鑑別点を見直すべきと考えられた。
Keywords	腸管出血性大腸菌（EHEC）, 異型性状株, 病原遺伝子, enterohemolysin, potassium tellurite感受性O157/O26