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日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 Loopamp PURE DNA抽出キットを用いたLoopamp結核菌群検出試薬キットの有用性の検討
論文言語 J
著者名 小林 昌弘1), 青木 貞男1), 小池 勝人1), 守屋 任2), 加藤 稔1), 齋藤 武文3)
所属 1)独立行政法人国立病院機構茨城東病院臨床検査科
2)独立行政法人国立病院機構災害医療センター臨床検査科
3)独立行政法人国立病院機構茨城東病院内科診療部呼吸器内科
発行 臨床微生物:25(2),106─110,2015
受付 平成26年9月1日
受理 平成26年11月11日
要旨  Mycobacterium tuberculosis complex(MTB)の迅速な検出・同定は,診断・治療の観点からだけではなく,感染管理上においても重要となってくる。今回,我々は新たな結核菌群迅速診断キットであるLoopamp Procedure for Ultra Rapid Extraction DNA抽出キット(PURE法)とLoop-mediated isothermal amplification(LAMP法)を組み合わせたLoopamp結核菌群検出試薬キット(TB-LAMP法)の検査性能の評価を行ったので報告する。対象は喀出痰161検体とし塗抹・培養・同定結果およびコバスTaqManMTB(TaqMan法)とTB-LAMP法との結果について検討を行った。培養検査結果を標準としたTB-LAMP法及びTaqMan法の感度,特異度は共に84%,100%であった。一致率については98.8%でありTB-LAMP法,TaqMan法のいずれか一方に陽性であった検体が2検体認められた。抗酸菌集菌塗抹陽性,陰性の2群に分けた場合の感度については,集菌塗抹陽性検体では共に100%であり,集菌塗抹陰性検体では共に73%であった。増幅阻害についてはTB-LAMP法を実施した161検体において陽性コントロール,陰性コントロール共に正常な結果であり培養検査結果から増幅阻害による陰性結果はなかったと考えられた。以上のことからTB-LAMP法の検査性能は,従来の核酸増幅検査と同等であると言える。
Keywords 結核菌群, 核酸増幅検査, TB-LAMP法, TaqMan法
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