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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
アスペルギローマ患者の喀痰及び肺組織よりSerratia marcescensのSmall-Colony Variantを検出した1症例 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
太田 悠介1）, 松本 竹久2）, 春日 恵理子2）, 堀内 一樹2）, 根岸 達哉2）, 矢口 ともみ2）, 名取 達矢2） |
| 所属 |
1）信州大学大学院医学系研究科保健学専攻
2）信州大学医学部附属病院臨床検査部 |
| 発行 |
臨床微生物：25（2），125─130，2015 |
| 受付 |
平成26年9月4日 |
| 受理 |
平成26年11月21日 |
| 要旨 |
肺アスペルギローマと診断された患者の喀痰及び肺左上葉組織よりSerratia marcescens small-colony variant（SCV）が分離された。本菌株は発育が遅く小型のコロニーを形成し，triple sugar iron培地（栄研）での発育性からブドウ糖非発酵菌と推定された。WalkAway 96 Plus System（SIEMENS）を用いたMicroScan Neg Combo 6.11J（SIEMENS）パネルによる同定検査ではYersinia enterocolitica groupと同定された。後日16S rRNA遺伝子配列解析と質量分析装置MALDI Biotyper（Bruker）による同定検査の結果，S. marcescensと同定された。薬剤感受性検査では，S. marcescensが本来自然耐性を示す抗菌薬の内，微量液体希釈法ではampicillin, amoxicillin/clavulanic acid, cefaclor, cefmetazoleとcolistinに，ディスク拡散法ではampicillin, ampicillin/sulbactamとcefaclorに感性を示した。
SCVs感染症例では，治療に有効な抗菌薬を推定する上で菌種の同定が重要であり，同定検査については遺伝子学的検査や質量分析法による検査が有用と考えられる。 |
| Keywords |
Small Colony Variants, Serratia marcescens, 16S rRNA, MALDI Biotyper |
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