日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	Real-time PCR法を用いた，Mycoplasma pneumoniaeイムノクロマト迅速診断キットに最適な検体採取部位の検討
論文言語	J
著者名	島田　康司1）, 皆川　温子1）, 平山　由美子1）, 杉山　和之1）, 板垣　はつえ1）, 伊藤　正樹2）, 武山　彩2）, 富田　陽一2）, 佐久間　弘子3）, 三田村　敬子4）, 大石　智洋5）, 斉藤　匡6）, 湊　通嘉7）, 塚原　雄器8）, 細矢　光亮9）
所属	1）株式会社LSIメディエンス研究開発・学術部 2）公立相馬総合病院小児科 3）公益財団法人星総合病院小児科 4）公益財団法人ライフ・エクステンション研究所付属永寿総合病院小児科 5）新潟大学医歯学総合病院小児科 6）国保多古中央病院小児科 7）みなと小児科 8）しんめいこどもクリニック 9）福島県立医科大学小児科学講座
発行	臨床微生物：25（3），196─203，2015
受付	平成26年10月7日
受理	平成27年1月21日
要旨	Mycoplasma pneumoniaeの抗原検出迅速診断キットに最適な検体採取部位を，Real-time PCR法による遺伝子量を測定することにより検討した。同一患者の咽頭後壁および，口蓋扁桃周辺部位をそれぞれ綿棒にて擦過，採取した検体内のM. pneumoniae遺伝子量をReal-time PCR法にて測定した結果，PCR法陽性咽頭後壁採取検体のM. pneumoniae遺伝子量（2.8×10⁴～2.6×10⁸ copies/mL）は，口蓋扁桃採取検体（4.5×10³～1.5×10⁷ copies/mL）より高値の傾向を示した。次に，咽頭後壁を採取部位としたグループと，口蓋扁桃を採取部位としたグループそれぞれのM. pneumoniae遺伝子量を測定した結果，咽頭後壁採取グループ（1.0×10⁵～2.7×10⁸ copies/mL）は，口蓋扁桃採取グループ（6.8×10³～1.5×10⁷ copies/mL）より有意（p＜0.01）に高値であった。M. pneumoniae遺伝子量が高値を示した場合，その菌数も多く存在すると推測されたため，PCR法とM. pneumoniae抗原検出迅速診断キットとの相関を確認した結果，咽頭後壁採取グループの陽性一致率（79.5％）は，口蓋扁桃採取グループの陽性一致率（22.9％）よりも高い値を示した。以上の結果から，M. pneumoniaeは，咽頭後壁から採取した場合，菌量が高くなり抗原検出迅速診断キットにて陽性となる可能性が示された。
Keywords	M. pneumoniae, 抗原検出迅速診断キット, Real-time PCR