学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 グラム染色を用いた感染症診療支援について
論文言語 J
著者名 山本 剛
所属 西神戸医療センター臨床検査技術部
発行 臨床微生物:25(4),265─276,2015
受付 平成27年8月5日
受理
要旨  グラム染色は感染症診療の初期診断において臨床的意義は高く,初期抗菌薬の選択や治療方針の決定,材料評価が一度に判読出来る検査である。中でも菌種推定は菌の形態的特徴を把握することで可能であり,菌種推定を行うことは第一選択薬の選択を十分に検討することができる。平成20年度の診療報酬改訂から3回連続して保険点数が高くなっており,日本においては感染症診療には欠かせない微生物検査の一つであると言える。今までは微生物検査の方向性を確認するのが中心であったグラム染色の所見確認を臨床現場に迅速にフィードバックを行うことで治療の適正化が図れる機会が増えている。グラム染色は初級者でも可能であるが,その解釈については卓越した高い技術が必要になり,フィードバックする際には医師とのコミュニケーションツールとして大きく役立ち,今後の感染症診療および微生物検査に必要な情報を提供できると考える。
Keywords グラム染色, 感染症診療支援, 保険点数, 感度
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