学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

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Article in Japanese

論文名 基礎疾患のない患者からBurkholderia pseudomalleiが分離された一例
論文言語 J
著者名 伊藤 志昂1), 大塚 昌信1), 青木 弘太郎2), 村上 日奈子3), 畠山 薫4), 石井 良和2), 舘田 一博2), 草地 信也5)
所属 1)東邦大学医療センター大橋病院臨床検査部
2)東邦大学医学部微生物・感染症学講座
3)東邦大学医療センター大森病院臨床検査部
4)東京都健康安全研究センター微生物部病原細菌研究科
5)東邦大学医療センター大橋病院外科
発行 臨床微生物:25(4),329─334,2015
受付 平成27年3月5日
受理 平成27年5月19日
要旨  33歳,男性がマレーシアでラグビーの試合中,左大腿部を擦過受傷した。帰国後,皮疹が残存したため近隣のクリニックを受診し,裂孔形成の可能性が指摘された。そのため外科的処置および感染症が疑われ,当院皮膚科に紹介受診となった。患者はすぐにマレーシアに戻る予定があったため外科的処置は見送られた。提出された左大腿膿瘍の検体から分離されたグラム陰性桿菌は,自動機器やコロニーの生化学的性状だけでは同定が困難であったため,16S rDNAを対象とした解析を行った。その結果,本菌株のrDNAの塩基配列はBurkholderia malleiあるいはBurkholderia pseudomalleiのものと99%一致した。両菌はrDNAの塩基配列では区別出来ないためMacConkey寒天培地での発育,運動性(+),42℃での発育の違いからB. pseudomalleiと同定した。さらにmultilocus sequence typing(MLST)により本菌株は,これまでに報告されていない新規ST型(ST1057)の菌株であることが判明した。
Keywords Burkholderia pseudomallei, 渡航歴, multilocus sequence typing(MLST)
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