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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Staphylococcus aureusのsmall-colony variants |
論文言語 |
J |
著者名 |
松本 竹久, 堀内 一樹, 根岸 達哉 |
所属 |
信州大学医学部附属病院臨床検査部 |
発行 |
臨床微生物:26(1),1─10,2015 |
受付 |
平成27年10月29日 |
受理 |
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要旨 |
Staphylococcus aureusのsmall-colony variants(SCVs)は様々な感染症にて分離され,また持続性・再発性感染症にも関与するとされる。SCVsとは抗菌薬や環境因子などの何らかの影響により選択され,代謝等に関する遺伝子に異常が生じ栄養要求性を示すようになった細菌の亜集団を指す。臨床微生物では,アミノグリコシド系抗菌薬やスルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤,フルオロキノロン,フシジン酸,トリクロサンなど様々な抗菌薬に耐性を示すSCVsの報告がなされてきた。また近年,ヘミン,メナジオン,そしてチミジン依存性のSCVsに対する原因メカニズムが解明され,さらにSCVsは宿主に対し強い免疫反応を誘発せずに,自身の感染を持続させ得ることが分かってきた。
本稿では,S. aureus SCVsについて,栄養要求性,変異メカニズムなどの基本的事項から検査に関する事項について紹介する。 |
Keywords |
Staphylococcus aureus, Small-colony variants, 栄養要求性 |
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