日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	血液培養ボトル液を検査材料とした直接的16S rDNA塩基配列決定でHelicobacter fennelliaeが検出された腎移植後敗血症の1症例
論文言語	J
著者名	前原　千佳子1）, 吉澤　定子2）, 福井　悠人2）, 青木　弘太郎3）, 吉住　あゆみ3）, 村上　日奈子1）, 安井　久美子1）, 福澤　滋1）, 榎園　恭子1）, 今井　和花1）, 佐々木　雅一1）, 石井　良和3）, 舘田　一博1,3）, 柳澤　健人4）, 酒井　謙4）, 相川　厚4）
所属	1）東邦大学医療センター大森病院臨床検査部 2）東邦大学医療センター大森病院総合診療急病センター感染症科 3）東邦大学医学部微生物・感染症学講座 4）東邦大学医療センター大森病院腎センター
発行	臨床微生物：26（1），47─53，2015
受付	平成27年5月21日
受理	平成27年8月19日
要旨	50歳男性。多発性嚢胞腎で生体腎移植後，免疫抑制剤を内服している患者である。発熱・悪寒・上部腹痛があり当院入院となった。入院時に実施した血液培養でグラム陰性らせん状桿菌が検出され，生化学的同定検査でHelicobacter fennelliaeと同定された。そこで，迅速同定の可能性について検討することを目的として，遺伝子学的同定検査を試みた。遺伝子学的同定検査では，血液培養ボトルの培養液を用いた16SrDNA塩基配列の決定から，H. fennelliaeと99.87％（EzTaxon）の相同性を示したので，H. fennelliaeと同定された。今回，我々の検討では，血液培養でグラム陰性らせん状桿菌が判明した時点で，陽性となった血液培養ボトルの培養液から16SrDNA塩基配列解析を実施することで，より早期に菌種が判明し，適切な加療に貢献する可能性が示唆された。
Keywords	Helicobacter fennelliae, 敗血症, 遺伝子同定, 16S rDNA