 |
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
| 論文名 |
Pneumocystis jirovecii（ニューモシスチス・イロベチイ） |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
藤井 毅 |
| 所属 |
東京医科大学八王子医療センター感染症科教授 |
| 発行 |
臨床微生物：26（3），195─201，2016 |
| 受付 |
平成28年4月11日 |
| 受理 |
|
| 要旨 |
Pneumocystis jiroveciiは，HIV感染者を含めた様々な細胞性免疫不全宿主における代表的な日和見感染症であるニューモシスチス肺炎（旧称：カリニ肺炎）を引き起こす。長い間，原虫の一種とみなされていたが，遺伝子学的解析の結果より，現在では子嚢菌門に属する真菌の一種であることが証明されている。本真菌は，宿主特異性を示し，人工培地で培養することができないため，未だに微生物学的に不明な点も多い。ニューモシスチス肺炎は基本的に重篤な呼吸器疾患であり致死率も高い。症状や画像所見などの臨床的特徴を把握し，適確で迅速な診断および治療をおこなうことが救命のためには重要である。また，最近では，腎移植後患者などにおけるニューモシスチス肺炎の院内アウトブレイク事例が多数報告されており，感染対策上も重要となっている。 |
| Keywords |
Pneumocystis jirovecii, Pneumocystis pneumonia, Cellular immune deficiency, Invasive fungal infection, Nosocomial infection |
|
