|
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
論文名 |
GBSスクリーニング検査における増菌培養液を用いた直接ラテックス凝集法の有用性 |
論文言語 |
J |
著者名 |
馬殿 真樹子, 東山 智宣, 池本 敏行, 岡田 仁克 |
所属 |
大阪医科大学附属病院中央検査部 |
発行 |
臨床微生物:26(4),297─303,2016 |
受付 |
平成28年3月28日 |
受理 |
平成28年5月9日 |
要旨 |
Group B Streptococcus(GBS)スクリーニング検査の増菌培養法において,増菌培養液を直接用いて連鎖球菌抗原検査を実施する直接ラテックス凝集法(ラテックス法)の有用性を確認するために,ラテックス法と増菌培養液を血液寒天培地等でサブカルチャーするサブカルチャー法,検体を血液寒天培地等に直接塗布して培養する直接培養法の3法を比較検討した。
当院婦人科を受診し,GBSスクリーニング検査の依頼があった臨床検体(膣分泌物50検体)を対象にした結果,ラテックス法とサブカルチャー法に差はみられず,ラテックス法はサブカルチャー法の代替法として適用できる可能性が示唆された。ラテックス法はサブカルチャー法と比較し,簡便で低コストな検査法であり,迅速性にも優れている。
ラテックス法とサブカルチャー法が陰性で直接培養法が陽性となるケースがあった。その際サブカルチャー法でEnterococcus faecalisの過剰な発育が観察された。模擬検体を用いた検討からE. faecalisによるGBSの発育抑制が観察され,GBSスクリーニング検査偽陰性を避けるために直接培養法と増菌培養法を併用すべき事が示唆された。 |
Keywords |
GBSスクリーニング検査, 直接ラテックス凝集法, Enterococcus faecalis |
|