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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
| 論文名 |
秋田県の一医療機関で小児科臨床材料から分離されたマクロライド高度耐性Moraxella catarrhalis及びMoraxella nonliquefaciensの解析 |
| 論文言語 |
J |
| 著者名 |
佐藤 慶子1）, 八柳 潤2）, 井川 ジーン3）, 齋藤 良一3） |
| 所属 |
1）秋田赤十字病院検査部
2）秋田県健康環境センター細菌班
3）東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科生体防御検査学分野 |
| 発行 |
臨床微生物：27（1），8─14，2016 |
| 受付 |
平成27年7月22日 |
| 受理 |
平成28年7月19日 |
| 要旨 |
Moraxella catarrhalisは小児における上気道炎や下気道炎，中耳炎などの感染症の起因菌である。一方，Moraxella nonliquefaciensは上気道の常在菌であり病原性は低いと考えられているが，呼吸器ウイルスに感染した小児の上気道から高率に分離され，病原性と関連すると考えられるタンパク質をコードしているとの報告もある。今回，われわれは秋田県の一医療機関において小児科の臨床材料から分離された，マクロライド高度耐性M.catarrhalisとM.nonliquefaciensの耐性機構について検討した。供試したM.catarrhalis3株は全て23SrRNA遺伝子のAllele1から4の全てにA2058T変異を保有していた。また，M.nonliquefaciens3株も全て23S rRNA遺伝子にA2058T変異を保有していた。6株はいずれもermA，ermB，ermC，mefA遺伝子を保有していなかった。以上の結果は，23S rRNA遺伝子のA2058T変異によりマクロライド系抗菌薬に高度耐性を獲得したM.catarrhalisとM.nonliquefaciensが国内に侵淫している事実を示唆している。国内におけるマクロライド高度耐性M.catarrhalis及びM.nonliquefaciensのサーベイランスを強化し，今後の動向を監視する必要がある。 |
| Keywords |
Moraxella catarrhalis, Moraxella nonliquefaciens, マクロライド高度耐性, A2058T変異, 23S rRNA遺伝子 |
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