学会誌

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報


download PDF Full Text of PDF (648K)
Article in Japanese

論文名 Matrix assisted laser desorption/ionization time of flight mass spectrometry(MALDI-TOF MS)の効率的運用と臨床支援
論文言語 J
著者名 池ヶ谷 佳寿子, 土屋 憲, 加瀬澤 友梨, 黒田 ゆかり
所属 静岡市立清水病院検査技術科
発行 臨床微生物:27(1),15─22,2016
受付 平成28年3月1日
受理 平成28年9月10日
要旨  当院では,2013年6月にVITEK MS(シスメックス・ビオメリュー)を導入した。MALDI-TOF MSを用いた微生物同定の迅速性を臨床に最大限反映させるため,VITEK MSを中心とした当院細菌検査室の効率的運用と臨床支援のためのシステム構築を行った。 検査部門システム(Laboratory Information System;以下LIS)端末にPrep Stationソフトウエアをインストールし,MylaとVITEK2 Remote Viewerを相乗りさせた結果,各作業者が同時にVITEK MSやVITEK2で検査する検体およびカード情報の登録を行うことが可能となった。さらに,各LIS端末のMylaとVITEK2RemoteViewerを使用し,各自が同時にVITEK MSやVITEK2の検査結果確認およびLISへの送信,血液培養からの「直接同定」を行うことが可能となり,効率的な運用が実現した。 臨床支援面では新たな分離菌に対するアンチバイオグラム表示機能を構築したことで,抗菌薬の選択・考察の一助になったと思われる。また,VITEKMSを用いた血液培養陽性ボトルからの「直接同定」は,早期の適切な抗菌薬へ変更が可能となる場合があり,臨床に与える大きなメリットである。 本システムは,VITEK MSの効率的な運用を実現させ,VITEK MSのメリットを活かした臨床支援に繋がるものと考える。
Keywords システム構築, MALDI-TOF MS, 迅速同定
Copyright © 2002 日本臨床微生物学会 All rights reserved.