学会誌

日本臨床微生物学雑誌

書誌情報


download PDF Full Text of PDF (276K)
Article in Japanese

論文名 Bacteroides属およびParabacteroides属菌血症―亀田総合病院における7年間138症例の臨床的特徴―
論文言語 J
著者名 鈴木 大介1), 馳 亮太1), 橋本 幸平2), 山田 智2), 戸口 明宏2), 大塚 喜人2), 細川 直登1)
所属 1)亀田総合病院感染症科
2)亀田総合病院臨床検査部
発行 臨床微生物:27(3),168─176,2017
受付 平成28年12月22日
受理 平成29年3月17日
要旨  亀田総合病院において2007年9月4日から2014年9月3日までの7年間に血液培養からBacteroides属およびParabacteroides属が検出された症例の臨床的特徴を後方視的に検討した。138症例から143株が検出され,Bacteroides fragilisが56株(39%)を占めた。推定される感染巣は腹腔内109例(79%),褥瘡感染8例(6%),足壊疽6例(4%),複雑性腎盂腎炎6例(4%)で,女性生殖器は1例(1%)のみ,1970~80年代に多く報告されていた母子感染は認めなかった。複数菌菌血症例は52例(38%)であったが,そのうち18例(35%)でEscherichia coliが検出された。腹腔内感染症では腸内細菌科,Enterococcus spp.,偏性嫌気性グラム陽性桿菌が,褥創感染・足壊疽ではStreptococcus spp.,Staphylococcus spp.,Peptostreptococcus spp.が,同時に検出される症例が多く見られた。7日死亡率は10%,30日死亡率は21%であった。嫌気性菌に有効な抗菌薬は113例(82%)で投与された。投与群の死亡率は,非投与群に比べて低い傾向が見られたが,統計学的な有意差は認めなかった。早期に嫌気性菌に有効な抗菌薬を投与することで死亡率が低下する可能性が示唆された。
Keywords Bacteroides, Parabacteroides, 嫌気性菌, 菌血症, 血液培養
Copyright © 2002 日本臨床微生物学会 All rights reserved.